もりのこえんの保育者は保育に入る際
皆、必ず小さなごみ袋を持っています。
深い森に行っても、街中の公園でも、
ゴミはいたるところにあります。
3か月ごとに新しいフィールドに移動するのですが、
新しいフィールドに行き始めた頃は、
帰りには家庭用のごみ袋がいっぱいになるくらいの
ゴミを持って帰ることもあります。
私達は子どもたちに「ごみを拾いましょう」と
言ったことはありません。
でも保育者が毎日ゴミを拾っている姿を見ていると
子どもたちも自然にゴミを拾ってきてくれるようになりました。
私達の会の理念の中に
「子どもたちの模倣の対象であることを意識して生活します。」と
いうのがあるのですが、
子どもたちは自分の周りの大人がすることを
見て学んでいるのだなあということを感じます。
「ゴミを拾いなさい」とは言いませんが
自分が自然を汚さないように気を付ける、ということは
事あるごとに子どもたちに伝えます。
ゴミを拾いながら
「ゴミを捨てようと思って捨てる人はいないんよ。
置いていたものが風で飛ばされたり
忘れて帰ったものがゴミになるんよ」と伝えます。
遊んでいて持っていた袋を離したりすると
「風で飛ぶよ。ゴミになるよ」と声を掛けます。
今ではもりのこえんの子どもたちはみんな、
汚れ物を入れる袋も、着替えの際に風に飛ばされないように
上に荷物を置いたり、誰かに持っていてもらうように頼んだりしています。
水遊びの際に、水を入れる為に使っている容器のふたなども
流されないように、意識して遊んでいるのがわかります。
この夏は小学生の一時預かりもたくさんしたのですが、
何度言ってもあそびに夢中になって、
持っている袋を忘れて帰ったり、
川に流してしまったりということがありました。
日本の大学生は環境を学んでいても、ゴミを拾わない、と
海外の人から不思議がられたりするそうです。
学びと暮らしが繋がっていないからでしょうか。
そんな話を見聞きしたりすると、
やはり毎日の積み重ねというのは、大事なのだなあと感じます。
私達は自然の中で人を育て
自然の中で多くのことを学んで行きたいと思っています。
次の世代もまた自然の中で育ち、学ぶことが出来るよう、
自然に親しみ、自然を理解し、自然に負荷をかけない行動が出来るよう
子どもたちを育てて行きたいと思っています。
もりのこえんが遊んだあとはとっても綺麗になるねと
言ってもらえるようになると嬉しいなと思います。