友だちの遊びを、ニコニコと見ることが多かった年中のSくん。
最近は自分で遊びを進めながら、友だちと遊びこむようになりました。
そんなSくんが、また一段階成長した出来事です。
今日はみんなでクルミ採り。
1つ目と2つ目のクルミは、すぐに年中のSちゃんが見つけました。
3つ目のクルミを、Sくんが見つけました。
でも、すぐに拾わずにいたら、年中のNちゃんが拾おうとしました。
Sくんは急いで先に拾い、保育者の袋にクルミを入れました。
N 「それNの!」
S 「Sがみつけた!」
と、Sくんは思わずNちゃんの胸をドンと叩いて、走りながら
S 「それ、あげる。」
と言って、少し離れた所に座りました。
驚きと悲しみのNちゃんは、しばらく泣きました。
すると、年長のHくんが、イモリを捕まえてやってきました。
HくんはNちゃんが泣いているから来たのかもしれません。
でも、Nちゃんの足元にある老木を見て
H 「これ、イモリの家じゃあ。」
と、イモリをその木に歩かせて遊び始めました。
Nちゃんも泣き止んで、一緒に遊び、笑顔になりました。
一方、Sくんは、Nちゃんの様子をずっとチラチラと見ていました。
ふとNちゃんは、Sくんのところに行き、何か話して戻ってきました。
N 「Sくんがねえ、クルミNにあげるって。
Nはねえ、あれ、あげたんよ。」
「あれ」というのは、Nちゃんが拾った桜の木の皮の筒で、
望遠鏡にして遊んでいたものです。
2人で交換することにしたようです。
大人が何も言わなくても、解決する子どもたちに感動。
Nちゃんの優しさに、Sくんも安心したことでしょう。
そして、思わず叩いてしまうほど、自分の感情を素直に出すようになったSくんにも、成長を感じる出来事でした。