新入園の年中男児T君。
新しい環境にいっしょうけんめい対応しています。
自由という環境、持ちなれない荷物、新しい友だち。
きちんとしたいのに、できない時に、いやな気持ちになるT君は、家に帰りたくなります。
何度かそれを止めていた保育者は、関わり方を話し合い、
もしまた次に帰りたがった時には、T君の気持ちに付き合うことにしました。
そのチャンスが訪れました。
T 「〇〇ちゃんのこと、〇△ちゃんって(言い)まちがえて、いやなんだよ。帰る!」
私 「わかった。一緒に帰ろう。」
「ひとりで帰れる」と言うT君に、一人は危険だということや、
大人の見えない所に行きたくなった時は、必ず言ってほしいことを伝え、
T君も、道路脇に停めてある除雪車がかっこいいことなど話しながら歩きました。
しばらく歩くうちに、歩く速度も遅くなっていきました。
そして、お迎えに来られたお母さんの車と出会ってしまいました。
(迎えに来なくてもいいことを、お母さんに連絡しなかったことを、後悔する私)
T君は、車の窓越しに、わけを話し
「ちょうどいいから、乗せて。」と頼みました。
でもお母さんはT君を乗せず、もりのこえんのお迎え場所に走り去ってくださいました。
なんとありがたいことでしょう。
ここで乗せてしまったら、『いやだから、帰ろうとしたけど、たいへんだった』
という感情も生まれません。
その場で座り込み、お母さんの車が戻ってくるのを待っていましたが、40分後
「おかあさんに会いたいから、いっしょに来て。」
と私に言い、もりのこえんに歩きだしました。
T君が戻ってくるのを、ずっと待って下さったお母さんに、本当に感謝です。
いやな気持になった時、『帰る』以外の方法を、やがて見つけることでしょう。
自分の気持ちを出してくれるT君、模索していくT君を受け止め、見守ろうと思います。
Bình luận